ゴリラ研究の第一人者として世界的に名高い山極寿一氏の新著『老いの思考法』(文藝春秋)が発売されている。
73歳の山極氏が初めて老いというテーマに挑んだ同作は、700万年の進化史と霊長類研究の視点を踏まえ、なぜ人間だけが長い老年期をもつのか――人類の生存戦略から浮き彫りになる老いの社会的な意味と、新しい捉え直しを示した一冊だ。

"老いるほど美しくなる"ゴリラの生態は、実は老いをめぐる学びの宝庫。歳をとっても慕われる秘訣から、過去の記憶との出会い直しの喜びまで、人生後半戦が「希望」となる考え方が込められている。同書では「人間はなぜ“人生後半戦”が長いのか?」「『離婚なんて怖くない』理由を知っていますか?」「過去の記憶との出会い直しは、老年期の最大の特権」などのテーマを扱う