あさ出版から、弁護士・伊藤勝彦著『モメない相続でお金も心もすっきり!親子終活』が発売されている。
終活は「ひとりで孤独に取り組む」から「一緒に取り組む」へ。「元気なうちに終活する必要がある」と理解していても、なかなか踏み出せない、あるいは挫折してしまう人が多い。その背景には、「終活は自分一人でするもの」という考えがある。

同作では、こうした孤独な終活とは決定的に異なる、終活を「自分だけの問題」ではなく、家族全体の問題として捉え、親子でしっかりコミュニケーションを取って進めていく方法、親子終活を紹介している。
これまで1000件超の遺言・相続に関する相談を受けてきた弁護士の著者が、預貯金や保険、不動産などの財産の管理から、モノの整理、さらには本人の希望する最期の迎え方まで、親子が終活で行っておきたいことを伝える。実際に使用できるエンディングノートのフォーマット付きだ。
通常の終活と比べ負担が分散し、一方的な決定が少ない親子終活。親子終活とは、親子の未来を見つめ、よりよい関係を築くための前向きな取り組みだ。通常の終活と親子終活の違いは3つある。
1つ目は「生前から親子で話し合うことで本人の意向通りに遺産整理しやすくなる」こと。本人の趣味のコレクションへの想いを親子で共有し、望む形で価値承継するといったことも可能だ。
2つ目は「親も子も体力面・精神面の負担が軽減」されること。仕事を持つ子どもにとって、大量の遺品を整理するのは大変だ。親子終活すれば、本人が元気なうちから、少しずつ身の回りの整理ができる。
3つ目は「子世代のIT知識を活かし、デジタル資産も含む『資産と負債の全体像』を把握できる」こと。オンラインバンキングやサブスクなど資産や契約の形態が多様化している昨今では、子が本人の資産管理をサポートすることで、もし本人に手続き漏れがあっても早めに気づくことができる。
ほかにも親子終活のメリットとして、遺産相続においてきょうだい間で揉めるリスクが大幅に減ることや、子は親の意思に反した医療や介護に過剰な費用をかけずに済むことについて解説している。