NTTドコモが29日、住信SBIネット銀行株式会社の普通株式に対する公開買付けを実施し、銀行業に本格参入することを発表した。
ドコモは2025年5月30日から7月10日までの期間、住信SBIネット銀行の株式を1株あたり4900円で買い付ける。公開買付け成立後、一連の取引プロセスを経ることで、住信SBIネット銀行の株式について、持株比率ではドコモが65.81％、三井住友信託銀行が34.19％を保有し、議決権比率では両社が50％ずつを保有することになる。住信SBIネット銀行はドコモの連結子会社となる予定だ。
今回の買収により、ドコモの持つ会員基盤やドコモショップなどの多様なチャネルと、三井住友信託銀行の持つ銀行経営および高度な信託サービスノウハウを組み合わせることで、住信SBIネット銀行の企業価値向上を目指すという。
具体的には、ドコモの販売チャネルを通じた銀行口座や預金獲得の加速、デジタルバンク事業における口座数伸長、メインバンク化に伴う預金残高拡大などのシナジーが期待される。また、モーゲージプラットフォーム事業においては、ドコモのサービス・販売網を活用した住宅ローン市場での競争力強化も図る。この提携により、スマートフォン1つで貯金、決済、投資、保険、融資、ポイントにまで、まとめて便利に利用できるサービスの提供を目指す。複数サービスの利用に応じてdポイントの特典を付与するなど、お得な仕組みも提供するとしている。
なお、NTTとSBIホールディングスも同日、資本業務提携契約を締結。SBIホールディングスが実施する第三者割当増資をNTTが引き受け、SBIホールディングスの普通株式2700万株（総額約1108億円）を取得する。
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